良寛が約20年間住んで、修行と芸術にいそしんだ五合庵は、「新潟県神社寺院仏堂明細帳」によれば、地所は「国上村要害」とあり、次に、
一 創立開基万元阿闍梨 正徳年中□?師住庵ニテ
建立
一 堂宇間数 間口弐間 奥行九尺
一 境内坪数 百弐拾六坪
などとある。これは明治17年の記録であるから、良寛の住んでいた五合庵そのものであろう。
良寛の死後75年目の明治39年(1906)の大雪で、五合庵は倒壊した。途中で修理されたとはいえ、創建から218年以上もたっていたのであった。
その後、大正3年7月に再建されて、現在見るごとき木造萱葺きの、間口2間、奥行9尺に厠のついた建物となったのである。敷地の坪数は138坪というから、明治時代より、少し増した。土留工事の結果であろうか。
********** 五合庵 谷川敏郎先 ***********
『堂宇間数 間口弐間 奥行九尺』ということは間口 3m 64p、奥行は 2m 73pということで、いわゆる畳6帖の面積です。
五合庵は創建から218年目の1906年に倒壊したのですから、そこから良寛が亡くなる年まで75年、木村家離草庵時代4年、乙子草庵時代10年、五合庵時代20年を足した109年を引くと、ちょうど半分の109年目です。
創建以来109年もたっている五合庵に約40才の壮年良寛が住み始めます。 途中、補修工事もなされたでしょうが100年以上といえば相当痛んでいたことでしょう。 2代目の五合庵は大正7年に同じ場所に再建されましたが、現在で、すでに約90年も経っています。茅葺屋根は最近葺き替えられました。あとはそのままです。
日本家屋は20〜30年しか持たないなどということはありません。 風通しがよく構造体も腐りにくく、土と木と萱と藁の家で、本物のエコロジー住宅です。 しかし蝶や蟻や百足などが家の中へやって来ますし、なんと言っても冬は寒いです。
雪の全然少ない『五合庵』です。 当時は楽に1mは積もり、裏の斜面によって倍の吹きだまりができていたでしょう。